動画における「インターレース解除」の意味や仕組みについて簡単に紹介します。
インターレース解除とは?
インターレース解除とは、
インターレース方式の動画をプログレッシブ方式の動画に変換する事をいいます。(「デインターレース」とも呼びます)
インターレース解除の仕組み
具体的には、「2つのフィールドを補間して、1つのフレームを補間生成する事」を指します。
2つのフィールドから補間してフレームを生成するだけなので、厳密に言えば、100%完全なフレームを再現するのはムリです。
だからこそ、インターレース解除には様々な方法が存在します。
インターレース解除した具体例
以下は、Wiiの「桃太郎電鉄16」というゲームで、電車を移動させた際の動画をgifにしたものです。
▲ インターレース未解除 | インターレース解除済 |
短時間で小さい解像度なので分かりづらいかもしれないですが、
「インターレース未解除」の方は画面が大きく動いた際に横縞線全体に入るために、非常にチラつき目がチカチカして見づらい動画になっています。
▲1フレームだけ抜き出して、「インターレース未解除」「インターレース解除済」のフレームを交互に表示させたgif |
インターレースを解除してない方は、線路や魚、その他全てのモノが2重になって表示されている事が分かると思います。
このように、インターレースな動画は目がチカチカして見ていて疲れる動画になってしまうため、インターレース非対応の機器で再生する場合にはインターレース解除をしましょう。
参考:カービィのエアライド ふつーにシティトライアルをプレイ16 – ニコニコ動画:GINZA(インターレース未解除の例)
○テレビの「ゲームモード」=インターレース解除の遅延をなくすモード
余談ですが、液晶テレビでゲームをプレイした際などに、映像が微妙に遅延するのは、テレビ内部でインターレース解除を行っているからです。(今現在は技術が発達してほとんど遅延が無いレベルまで来ているようですが、それでもブラウン管テレビに比べるとやはり遅延があります)
なので、今のテレビには、「遅延を限りなく抑える代わりに、画質を犠牲にするようにする」という「ゲームモード」のような設定があるテレビがあります。
インターレース解除するには?
インターレース解除する方法としては、
- 再生しながらリアルタイムで解除する
- エンコードして永久的に解除する
の2種類の方法があります。
①動画再生ソフトの機能を使う方法
例えば、VLCには標準でインターレース解除機能が備わっています。
MPC-HCなどにはインターレース解除機能が付いていませんが、MPCーHC+ffdshowをという風にffdshowのと組み合わせて使用すれば、ffdhowのインターレース解除機能を使用する事も可能です。
▲VLC | ▲ffdshow |
②エンコードソフトの機能を使う方法
ほとんどのエンコードソフトには、インターレース解除機能が備わっています。
なので、インターレース解除機能をONにした状態でエンコードすれば、永久的にプログレッシブな動画に変換できます。
▲AviUtl |
インターレース解除できない動画
インターレース解除できるのは「インターレース」形式の動画だけであって、
「インターレース形式の動画をインターレース解除しないでプログレッシブ形式に変換してしまった動画」はインターレース解除する事はできないので注意です。
「インターレース=悪」では無い
「インターレース=悪」みたいに思ってる人が多いかもしれませんが、
インターレース動画はプログレッシブ動画と同等のファイルサイズでプログレッシブより2倍滑らかな動画にする事ができるというメリットもあります。
なので、もしインターレース動画対応機器で再生する予定の動画であるならば、インターレースは解除しない方が良いです。
インターレース保持の設定
大抵の場合、どのエンコードソフトも「プログレッシブ」としてエンコードするのがデフォルトとなっているので、
インターレースを保持したままエンコードしたい場合は、「インターレースを保持してエンコードする」みたいな項目にチェックを入れる必要があります。
▲「x264guiEx」でのインターレース保持設定画面 | ▲「WMV出力プラグイン」でのインターレース保持設定画面 |
インターレース解除の手法
インターレース解除の手法としては主に、以下の3種類の方法があります。
- 「トップフィールド」と「ボトムフィールド」のどちらかのフィールドのみを出力して足らない部分を補完する方法
- 「トップフィールド」と「ボトムフィールド」を合成して上手い感じにチラつきを抑える方法
- 1.と2.を組み合わせたような特殊な方法
処理の重さ的には、
- 1>2>3
という順番で、1が一番軽いです。(エンコに時間がかかるという意味)
インターレース解除の”正確性”(どれだけキレイにインターレース解除できるか)は、
- 3>2>1
という順番で、3が一番キレイに解除できる傾向にあります。
ちなみに、インターレース解除の手法に「これが絶対!」みたいな方法はありません。
なので、動画によって色々試してみて最善の解除手法を探してみるのが一番ベストな方法です。
実際にAviUtlを使用してインターレース解除するには以下の記事などを参考にしてみて下さい。
まとめ
・インターレース解除:「インターレース」→「プログレッシブ」に変換すること
・自分で保管する用(鑑賞する用)の動画なら、インターレース解除してもしなくてもどっちでも良い(好みの問題)
・動画共有サイト(Youtubeとか)に投稿するなら絶対にインターレース解除しなければならない(しないと残念な事になる)
・インターレース解除の手法は色々あるので、動画によって使い分けるのが一番良い
このページの情報は以上です。
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