このページでは、
- サンプリングレート
- ビット深度
- ビットレート
の3つの意味・関係性について紹介します。
サンプリングレートとは?
例えば、「あ~」と1秒喋るとします。
この「あ~」という音を、パソコンで録音する場合、「あ~」という音声を1秒に何万分割にもして、それを1つ1つ、
- 「この区間の高さは音の高さはこれくらいだった」
- 「この区間の長さはこれくらいだった」
みたいな感じでデータとして記録します。
パソコンは、この分割された1つ1つのデータを連続で読み込んで「あ~」という「音声」として出力します。
このとき、「1秒当り、何万分割して音を採取するか」というのを「サンプリングレート」と呼びます。(「サンプリング周波数」とも言います)
▲サンプリングレートのイメージ 分割数を多くすればするほど、「滑らかな音」になるので、結果的に「音質が良くなった!」と感じます。 |
ビット深度とは?
サンプリングレートは「1秒当り、何万分割して音を採取するか」の事ですが、
「分割した1つ1つのデータ(サンプリング)にどれだけの容量を与えるか」という事を「ビット深度」と呼びます。
▲ビット深度のイメージ 他にも「量子化ビット数」「サンプルビット数」「ビットデパス」などと呼んだりもします。 |
例えば、ビット深度が「16bit」だとすると、サンプリング1つに対して2の16乗(65536)の情報量となります。
ビット深度を大きくすればするほど、音の細かさ・大小などの表現力が上がるので、結果「音質が良くなった!」と感じます。
ちなみに、世の中にある大抵の音源のビット深度は16bitです。
なので
- 「CDから音楽をインポートする!」
- 「ネットからダウンロードした音楽をインポートする!」
などという場合などには16bitあれば十分です。
逆に「自分でDAWで録音したものをwav出力する!」という場合には、16bit以上あった方が良いです。
なぜなら、例えば、音声編集ソフトなどで、音声をエフェクト加工する際などは、ビット深度を余分に割り当ててやる事で(例えば32bitなど)音の劣化を限りなく0にできるからです。(最終的な出力の際は16bitで良いですが)
また、このページでいう「ビット深度」は、
動画で言う所の「ビット深度」とは意味が異なるので注意です。
ビットレートとは?
ビットレートとは、「1秒あたりのデータ量」のことです。
参考:ビットレートとは?画質・音質・コーデックとの関係【映像・音声】
先ほど紹介した「サンプリングレート」と「ビット深度」は、
- サンプリングレート:1秒当り、何万分割して音を採取するか
- ビット深度:分割した1つ当りのデータにどれだけ要領を与えるか
なので、この2つの値を掛けあわせたものが「ビットレート」となります。
式で表すと、
サンプリングレート(Hz)× ビット深度(bit)= ビットレート(bps)
となります。
例えば、
- サンプリングレート:44100Hz
- ビット深度:16bit
- ステレオ
な音楽ファイルの場合、
44100(Hz) ✕ 16(bit) ✕ 2(ステレオ) = 1411200(bps) ≒ 1411(kbps)
となります。
非圧縮のwavのビットレートは1400kbpsくらいなので、合ってますよね。
Youtube動画の音声ビットレートは最高でも「192kbps」なので、非圧縮wavとは7倍近くも情報量に差があることがわかります。
参考:Youtubeに高音質な動画をアップロード・ダウンロード=無理という話
ちなみに「bps」は「8」で割ると「B/s」に変換できます。
なので、「1411/8=176KB/s」とできます。
非圧縮wavには、1秒当り176KBもの情報が含まれているということですね。(全角文字で88000文字分)
つまり、「ビットレートを上げる」と言う事は、
「サンプリングレート」「ビット深度」のどちらかかを上げる
という事を指しています。
まとめ
・サンプリングレート:「1秒当り、何万分割して音を採取するか」ということ
・ビット深度:「分割した1つ当りのデータにどれだけ容量を与えるか」ということ
・ビットレート:「サンプリングレート」と「ビット深度」を掛けたもの
このページの情報は以上です。
関連:【違いが分からない】64kbps,96kbps,128kbps,192kbps,320kbps,非圧縮音源(WAV)の音質比較【MP3】
コメント
お忙しいところ申し訳ありません。疑問ががあるのですが、
「44100Hzの場合、一秒間に44100回分割する。」
この分割とは、44100回サンプルを取る(表現が正しいか自信ありませんが)と理解してよろしいのでしょうか、これだと11025Hzまでの音しか再現できないように思うのですが、他のサイトを見ても同様の説明がされているようです。
可聴域の20kHzの音をデジタル化するのに80000回の標本化が必要で周波数にすると44.1kHz(多少の余裕を見て)と理解していたのですが、
お手数でなければもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。