ビット深度(色深度)とは?10bit・24bit・30bitなどの違い【動画】

ビット深度

動画における「ビット深度」の意味などについて簡単に紹介します。

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ビット深度とは?

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動画における「ビット深度」とは、「1ピクセル当りに割り当てるデータ量の事」です。

音声における「ビット深度」とは、意味が異なります。

  • 音声における「ビット深度」・・・
    →サンプリング1つ当りに割り当てるデータ量のこと 
  • 動画における「ビット深度」・・・
    →1ピクセル当りに割り当てるデータ量のこと

参考サンプリングレート・ビット深度・ビットレートの意味と関係性

また、

  • ビット深度
  • 色深度
  • ピクセル深度

は全て同じ意味です。

 

例えば、「ビット深度」が「24bit」の場合は、1ピクセルに24bit割り当てられているという事を表しています。

また、「ビット深度」は、bpp(bits per pixel)という単位で表します。

例:1ピクセルあたり24bit = 24bpp

ファイルサイズの計算

30fpsイメージ

例えば、

  • ビット深度:24bpp
  • 解像度:1920×1080

な動画の場合、

1920px ✕ 1080px ✕ 24bit = 49766400bit = 6220800byte ≒ 6.2MB

となり、1フレーム当り6.2MBという巨大サイズになるということが分かります。
(30fpsで1分の動画の場合、6.2MB/frame ✕ 30frame/s ✕ 60s ≒ 11GBになる)

ちなみに、これが俗にいう「非圧縮動画(RGB24)」です。

色空間による違い

450px-YUV_UV_plane.svg
引用:YUV – Wikipedia

同じ「24bpp」と言っても、色空間によって割り当て方が異なります。

例えば、

  • RGBで「24bpp」の場合:
    →R,G,Bのそれぞれに8bitずつ割り当てます 
  • YUV(YCbCr)で「24bpp」の場合:
    →Y,U,Vにそれぞれ8bitを割り当てます

という感じです。

また、YUVの場合は、”サンプル比”によって割り当てられるビット数が変わります。

YUVは、正確にはYCbCrと表すのが正解ですが、なぜかパソコンの世界ではYUVと呼ぶのが一般的なので、YUVと呼ぶことにします

YUVの場合は”実効ビット”になる

YUVの場合は、フォーマットによって”サンプル比”が異なるので、輝度や色差の取り方が異なってきます。

例えば、

  • 「YUV444」だと、Y,U,Vをそれぞれ8bitずつ取ります
  • 「YUV420」だと、Yはそれぞれ8bitずつ取りますが、U,Vは8bitを共有します

という風になります。

なので、「YUV420」の場合は、実質的な1つ当りのビット数は「12bit」になる事が分かります。

この時の「実質的な1ピクセル当りのビット数」の事を”実効ビット”と呼びます。(「YUV420」の場合は「12bit」)

 

この事から、「YUV444」と「YUV420」では、ファイルサイズに約2倍の差が生まれるという事が分かります。(実際にはコーデックを使用して圧縮されるのでそこまで差は生まれませんが)

YUVなどの意味がわからない人は、以下ページなどが参考になると思います。

参考RGB データと YUV データについて – EIZO
参考カラーフォーマットのナゾ
参考YUVフォーマット及び YUVとRGBの変換

動画でよく使われるビット深度

一般的に動画で使用されるビット深度は、「24bit」です。

私たちが普段観ている、

  • 地上デジタル放送
  • BS/CS放送
  • Youtube
  • ニコニコ動画
  • ・・etc

などは全て24bitです。

私たちが普段使用するエンコーダーなども全て24bitでエンコードするようになっています。(設定上は表示されていませんが)

「普段観ている動画は全て24bitなんだ!」という認識で良いと思います。

色数の違い

例えば、RGBで24bppの場合、R,G,Bにそれぞれ8bitずつ割り当てられます。

  • R:8bit
  • G:8bit
  • B:8bit

8bitという事は、10進数で言うと「256」です。

つまり、R,G,Bのそれぞれで「256色」を表現できるという事が分かります。

 

更にR,G,Bのそれぞれの組み合わせた数だけ、色の組み合わせがあるので、

256色 ✕ 256色 ✕ 256色 = 16777216色 ≒ 1677万色

となり、(24bitの場合)合計1677万色表現できるという事が分かります。

ちなみに、一般的なパソコンのディスプレイの”最大表示色”も、ほとんどが1677万色です。

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(参考)私が使用しているディスプレイ:DIOS-MF241XB 仕様 | ワイドモデル | IODATA アイ・オー・データ機器

自分の使用しているパソコンのディスプレイの仕様を見れば分かると思いますが、おそらく1677万色です。

つまり、

  • 私たちが普段観ている動画の色数・・・「1677万色」
  • 私たちが使用しているディスプレイの最大色数・・・「1677万色」

という事であって、私たちが普段見ている映像のほとんどは「1677万色」であり、私たちが普段使っているディスプレイの最大色数も「1677万色」ということです。

画質の比較

24bppくらいまでは、画質の違いは割と視認できます。

2_bit4_bit8_bitTruecolor
▲2bpp▲4bpp▲8bpp▲24bpp

引用:色深度 – Wikipedia

 

例えば、x264のエンコーダーなどでは、30bpp(各10bit)の「high bit-depth」なる設定で、24bpp以上でエンコード出来たりしますが、24bitとの差はほとんど識別できません。

x264_high bit-depth
AviUtlx264guiExの場合

 

更に、(先述したように)そもそもほとんどのPCディスプレイでは「1677万色(24bit)」までしか表現できません。

なので、ほとんどのパソコン環境では、30bitと24bitを見分ける事は(物理的に)不可能です。

ただ、「アニメ」や「映画」など「元々24bit以上で撮影された映像」の場合、30bit(各10bit)でエンコードする事で、色関係のフィルタ効果が滑らかに適用されるようになるので、結果的にバンディング(色が連続部分で起きるノイズ)が軽減され、画質は良くなる傾向になります。

▼あるアニメを24bitと30bitでエンコードして、同じフレームの同じ部分を切り取った画像(元のフレームはコレ
 8bit-- 10bit--
▲24bit
(30bitと比較して、バンディングが顕著に発生している事が分かる)
▲30bit

なので、「全く意味が無い」というわけでもありません。

呼び名

よく使用するビット深度(色深度)には、名前が付けられていまmす。

  • 16bpp(65,536色):ハイカラー
  • 24bpp(16,777,216色):フルカラー
  • 32bpp(16,777,216色+αチャネル):トゥルーカラー
  • 48bpp( 281,474,976,710,656色):ディープカラー

参考色深度とは|color depth – 意味/定義 : IT用語辞典

動画のビット深度の確認方法

MediaInfoなどの動画識別ソフトなどを使用すれば、

動画のビット深度を簡単に調べる事ができます。

screenshot_298
▲この場合の8bitというのは、Y,U,Vそれぞれに割り当てられるビット数のことです。
なので、ビット深度は24bppです(ただし、実効ビットはYUV420なので12bitです)

まとめ

・ビット深度:1ピクセル当りのデータ量のこと

・ビット深度が高いほど、表せる色が増える(=結果的に高画質になる)

・ほとんどの動画のビット深度(色深度)は、24bpp

 

このページの情報は以上です。

 

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