Youtubeには、「高音質」とタイトルが付いた音楽動画がたくさんあります。
しかし、
「そもそもYoutubeに高音質な動画をアップロードするのはムリなので、高音質であるはずがないよ!」
ということを紹介したいと思います。
この記事は「ビットレート」の意味を知らないと、理解できない可能性があります。
何故Youtubeの動画は高音質でないのか?
理由はYoutube自体の仕様にあります。
今現在(2016年1月時点)、Youtubeではどのような動画をアップロードしても、Youtube側で勝手に再エンコードされてしまう仕様となっています。
なので、事前に用意した動画がどんなに高画質・高音質であろうと、Youtubeが決めているコーデック・ビットレートまで下げられてしまうのです。
具体的にどれくらいまで下げられるのか
下げられる音声ビットレートは、動画の解像度によって変わってきます。
大雑把に以下のとおりです。
- 240p(320×240以上):
→32kbps前後
- 360p(640×360以上):
→93kbps前後
- 480p(640×480以上):
→128kbps前後
- 720p、1080p、2160p(1280×720以上):
→192kbps前後
つまり、どんなに頑張っても192kbps以下でしかアップロード出来ないという事です。(タイトルに【320kbps】などと書いている動画もありますが、こういうのはウソです)
なので高音質であるはずが無いのです。
またこれは同時に、どんなに頑張っても192kbps以下でしかダウンロード出来ないという事でもあります。
「いや192kbpsって高音質じゃん!」という人が居るかもしれませんが、
ハイレゾというCD以上の規格も登場している今の時代に、非可逆で192kbpsしかない音質を”高音質”と定義するのは少し間違っている気がします。
せめて、
- 「192kbps」
- 「微高音質」
- 「中音質」
などとネーミングするのが妥当だと思います。
そういうソフトを使っても192kbps以上には上げれないので無意味です。(むしろファイルサイズがデカくなるだけなので無駄でしかない)
視聴する際も解像度によって異なる
というわけで、視聴する際の動画の解像度によって、音質は大きく変わります。
- 高音質と謳っている動画を高音質で視聴するには・・・
→「720p」以上に設定する必要がある
逆に言えば、解像度が「480p」などしかない動画は、最高でも128kbpsしかないので、どう考えても高音質ではありません。
そういうコメントをしている人は「128kbpsと192kbpsを聞き分けられない耳の悪い人」なので、真に受けないようにしましょう。
逆に音質が悪いケースも有る
Youtubeでは、投稿した際の解像度に応じて、動画が再エンコードされます。
なので、極端な話、音声ビットレートが10kbps程度しかない動画でも、解像度が1280×720以上ある動画なら、ビットレートが192kbps程度割り振られて再エンコードされるのです。
つまり、例えば動画ダウンローダーなどを使用して、720pな動画をダウンロードすると、音声ビットレートが192kbpsと表記されはしますが、その動画は本来、投稿されたときには128bkbps程度しかなかった可能性があるという事です。
例えば、AviUtlのx264guiExやつんでれんこなどの、ほとんどのエンコーダーでは、標準のビットレートが「128kbps」と設定されている事が多いのです。
(動画について詳しくない人がエンコした場合、ビットレート設定が128kbpsになったままの動画が多いということ)
▲x264guiExの「プロファイル:youtube」でのデフォルト音声ビットレート |
つまり、「192kbpsだと思って聴いていた音声が実は128kbpsだった!」なんて事が起きてしまうということです。
動画(映像)にも同じ事が言える
「再エンコード」という仕様は、音声に限った話ではありません。
「映像」も音声と同じく、投稿後にYoutube側で再エンコードされるので、音声と同じく100%劣化します。
映像については、音声と違って192kbpsが限界などという事はなく、解像度に応じて完全に比例するので、解像度を上げれば上げるほどビットレートは多く割り当てられます。
(まぁ動画の場合は劣化したとしても、目に見えて分かるレベルでもないので、気になる人はいないと思いますが・・。)
ニコニコ動画では高音質で動画をアップロードできる
追記(2018年8月):
2016年8月19日より、ニコニコもYoutubeと同じく、どんな動画も再エンコードされるよう仕様に変更されました。
なので、ここから先に書いていることは間違いです。
ニコニコ動画は、ニコニコ指定の動画仕様を守りさえすれば再エンコードされる事が無いので、アップロードした画質・音質そのままで視聴する事が可能です。(これはニコニコの長所の1つでもあります)
Youtubeと違って、ニコニコで【高音質】と書かれている動画は、本当に高音質な物が多いです。(中にはそうじゃないのもありますが)
「高音質のまま動画共有サイトにアップロードしたい!」という場合はニコニコ動画がオススメということですね。
(その代わり、ビットレート制限がきついので、音質を上げたいならある程度画質などを犠牲にする必要がありますし、一般会員が視聴する際にはエコノミーモードとかいう一般会員殺しな仕様があるので、「いつでも誰でも高音質」というわけにもいかないですが・・)
このページの情報は以上です。
関連:【違いが分からない】64kbps,96kbps,128kbps,192kbps,320kbps,非圧縮音源(WAV)の音質比較【MP3】
コメント
[…] 参考:Youtubeに高音質な動画をアップロード・ダウンロード=無理という話 […]
ニコ動も必ず強制再エンコードされてしまう仕様になってしまいましたね…
いくら高音質でも192kbpsに近い値で作成されてしまうようです
http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%BC%B7%E5%88%B6%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89
https://support.google.com/youtube/answer/1722171?hl=ja
によると、現在音声のビットレートは解像度に関係ないようです。
〈以下抜粋、参考〉
アップロードする動画の推奨音声ビットレート
タイプ 音声ビットレート
モノラル 128 kbps
ステレオ 384 kbps(=192 kbps)※二箇所から音声
5.1 512 kbps(=102.4 kbps)※五箇所から音声
AAC-HCってAAC-LCと書き間違えてませんかこれ。
個人的な感想であり、決して誹謗中傷するものでは無いこと
を最初に言っておきたい。
YouTube、高画質であればあるほどデエンコードされても綺麗。
ニコ、 金取られて、低画質。画質が向上したというので金
払って投稿したが、なんだあれ?
ちなみに、MMDで4K画質・60Fpsで投稿、やっぱり綺麗な
のは断然YouTube。(無料で)画質はやはり落とされるが、こ
こまで上げれば、やはり綺麗。
ニコはすぐにプレミアを退会した。
もう一つ。
お金は大切に!プレミア会員が500円ですが、年間6000円
高いとみるか、安いとみるか・・・6000円であの画質・・・
YouTubeは圧縮がかかっているからCD以下の「質」であるという乱暴な解釈や、16kHz以上が成分として含まれていない場合であっても即ち音の「質」が良くないとは、直ちに結びつかないのです。(当チャンネルの音声はOpusフォーマットであり可聴帯域をフルカバーしております。)ここは解析データや視覚判断ではなく聴感で客観判別することが求められる最も重要な側面です。加えて、以下ページより非圧縮の16bit/48kHz WAV形式音声付ビデオが試聴可能です。
http://jbl43.com/?pid=134611803
ってこめんとがYouTubeにあったんですけど
どうなんでしょうか。よくわかんないです。
管理人さん教えてください
ビット数は高域の周波数限界に関係しますので周波数特性を測定してみて下さい。
YouTubeでは約15kHz以上が出ていません。