音声コーデックの種類と違い(MP3・AAC・WMA・WAV・Vorbis・AC3・FLAC等)【フォーマット】

音楽ファイルのフォーマット・コーデックには様々なものが有りますが、それぞれに違った特徴が有ります。

このページでは、コーデックについての基礎的な事や、それぞれのコーデックについての違いなどを紹介します。

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圧縮方法によるコーデックの違い

mp3

コーデックというのは一定の規則に従ってファイルを符号化する為のルール本みたいなものです。

符号化っていうのはアナログデータからデジタルデータへ変換する事を指します。

聞こえてくる音を何万分割にもして、それをデータに置き換えるイメージです。

符号化されたファイルを復号化(再生)する為には、符号化するのに使用したルール本(コーデック)が必要となってきます。

ルール本が無いとパソコンはそのファイルの再生の仕方が分かりません。

ファイルフォーマットの違いについて

avi_1

「ファイルフォーマット」は「符号化したデータを入れる入れ物(コンテナ)」の事を指します。

※「ファイルフォーマット」は「コンテナ」とも呼んだり「動画形式」とも呼びます。

例を挙げると、「ファイルフォーマット」は「弁当箱」で「コーデック」は「中に入れる具材」です。

「弁当箱」だけを見て美味しい弁当か、不味い弁当かなんて区別出来ません。

不格好な「弁当箱」でも、「中に入れる具材」が最高級であればそれは良質な弁当(動画・音声ファイル)となります。

また「弁当箱」には、それぞれに一長一短な特徴が有り、一概に「コレが良い!」とは言えません。

音声コーデックの殆どは、色々なコンテナに対応しています。

例えば、MP3というコーデックで符号化したデータは、.mp3というファイルフォーマットに入れることも出来ますし、.aviや.mkvなど様々な動画ファイルフォーマットにも入れる事が出来ます。

このように、一口に「MP3コーデック」と言っても、色々なファイルフォーマットに使用されており、.mp3というファイルフォーマットだけに使用されているわけではありません。

基本的に「ファイルフォーマット」というのはただの「入れ物」なので、画質や音質には左右されません。

「ファイルフォーマット」が左右するのは、

  • ファイルサイズ
  • 字幕表示サポート
  • 第2音声サポート
  • 可変フレームレートサポート
  • 可変ビットレートサポート

などのファイルの内容以外の部分となります。

画質や音質を左右するのは「コーデック」です。

コーデックの種類

私が個人的に思う、今現在(2015年9月)主流であるコーデックについて詳細をまとめました。

※ビットレート・圧縮率などによって結構違ってきますが、そこは目を瞑って下さい。。(かなりザックリです)

音声コーデック比較
圧縮方法 コーデック名 主なファイルフォーマット
(拡張子)
ファイルサイズ目安
(最大100でリニアPCMを100とする)
音質目安
(最大100)
非可逆 MP3  .mp3  11  92
AAC  .m4a .mp4  9.1  95
WMA  .wma  8.5  94
Vorbis  .ogg  8.1  94
AC3  .ac3  9.0  94
MP2  .mp2  13  93
可逆 ALAC  .m4a  65  100
FLAC  .flac  75  100
TAK  .tta  70  100
WMA lossless  .wma .asf  66  100
Monkey’s Audio  .ape  60  100
非圧縮 リニアPCM(LPCM)  .wav .aiff  100  100

▲「音質目安」と「ファイルサイズ目安」は”同じビットレートでエンコードした場合どれくらい違うか“を、完全に私の独断で決めたものです。

※「どのコーデックが一番音質が良いですか?」という質問をする人が良く居ますが、この訊き方は正確に言えば正しく有りません。正しくは「同じビットレートで比較した場合、一番音質が良いのはどのコーデックですか?」と訊くべきです。(ビットレートを上げればどのコーデックを使用しても音質が良くなるのは当たり前なので)

※ファイルサイズの測定条件は補足に書いてます

上から順にざっくり解説します。(私の主観も入ってるかもしれません)

非可逆コーデック

別名「ロッシー」コーデック。非可逆な為、音質は若干落ちますが、ファイルサイズは大幅に小さくする事が出来ます。

MP3

言わずもがなですが、現在最もよく使用されている非可逆圧縮音声コーデックの1つです。

昔は「音楽ファイル」と言えばMP3一択でしたが、今ではAACやVorbisなどの他の非可逆圧縮コーデックに音質・ファイルサイズの面では負けています。

しかしながら、互換性なども問題が有る為、今でも一番良く使用されているコーデックです。

AAC

低ビットレート~中ビットレート帯(128kbpsくらいまで)では、単純にmp3と比べて1.4倍くらい音質が良いらしいです。(ソース

最近ではmp4動画をエンコードする際に、h.264ビデオコーデックとセットで使用される事が非常に多いです。

地上デジタル放送とかBSデジタルに使われていたりもします。

動画コーデックの「h.264」と並んで、今一番主流の音声コーデックです。

WMA

音質もファイルサイズもMP3より上で、他のAACなどと比較しても大差ないのに何故か人気が無い残念なコーデック。

アップル系のMP3プレイヤーで再生する事が出来ないのが大きいのかな?

「wma?mp3の方がええやろ!」って思っている人が多いかもですが、MP3より音質もファイルサイズ優れているコーデックです。

Vorbis

あまり馴染みがないかもしれませんが、Youtube動画の音声コーデックとして使用されている事で有名なコーデックです。

オープンソースでロイヤリティーフリーな太っ腹なのが特徴。

Youtubeでは現在(2015年)、ファイルフォーマットを「WebM」、ビデオコーデックを「VP9」、音声コーデックとして「Vorbis」が使用されています。(どのような動画も順次この形式に再エンコされている)

また、音質・ファイルサイズの面から見てもMP3より上です。(全てに置いてMP3の性能を抜くことを念頭に置かれている)

AC3

DVDやBlu-rayなどの音声コーデックとして使用されるコーデックです。

特徴としては、5.1chなどの2ch以上の出力に対応しているという点です。

圧縮率が高い場合は、他のコーデックに音質が勝る場合があるようです。

動画とセットと使用されるコーデックなので、これ単体の音声ファイルとして使用される事は有りません。

MP2

こちらもDVDの音声コーデックとして使用されるコーデックです。

あと、ビデオCDとかスーパービデオCDなどでも使用されます。

最高音質的には、MP3より上ですが、圧縮率はMP3より下です。

可逆コーデック

別名「ロスレス」コーデック。正直ロスレスなんてどれを選んでもファイルサイズは変わらないのでどれでも良いと思います。

重要なのは、「そのコーデックを対応しているハード・ソフト」が多いかどうかです。

その点では「FLAC」が一番多くのソフト・ハードに対応しています、たぶん。(Apple信者な人はALACで良いと思うよ)

ALAC(Apple ロスレス)

Apple社が提唱した可逆コーデックです。

Apple・Sony製のMP3プレイヤー以外では再生出来ない事が多いです。

これら2社の製品ばかり使用するって場合以外は使用するメリットはあまり無いかも。

最近オープンソースになりました。

FLAC

(多分)可逆音声コーデックの中で一番有名で古米なコーデックです。

デコード・エンコードが速い代わりに、圧縮率が大した事ないっていうのが特徴。また、古米だけあって対応している機器が多いです。(iTunesが非対応なのがネック?)

ハイレゾ音源のコーデックとして使用されている事が多いようです。

TAK

「FLAC」をベースに作られたコーデックです。

FLACの良い所だけを取って、圧縮率を高めているのが特徴。対応している機器は殆ど有りません。

WMA lossless

先述した非可逆WMAの可逆圧縮バージョンです。

後述する「Monkey’s Audio」に次いで、圧縮率が優れているコーデックな気がします。

対応している機器は殆ど無い気がします(?)

Monkey’s Audio

圧縮率だけが取り柄のコーデックです。名前通り「猿音」「猿」などと呼ばれる事が多いようです。また、生成されるファイルも.ape(猿人)となります。

正直、このコーデックを使用しているファイルに出会ったことがないので何ともいえません。多分ほとんど人気はありません。(海外で使われてるのかな?)

非圧縮

リニアPCM

非圧縮な音声の事を「リニアPCM」と言います。

CD・DVD、BD、録音レコーダーなど、様々なシーンで使われます。

CDに使われてるので、知らない人は居ないでしょう。

音質重視な動画にしたい場合は、これ以外有り得ません。

ビットレート的には、リニアPCMで「16bit」「48khz」で1536kbpsくらいで、これを同じ量子化ビット数・サンプリング周波数の「AC3」では、256kpbsくらいになります。

まとめ

結局、コーデックには向き不向きがあるので、一概に「コレが一番良い!」って決めつけるものでもありません。

目的に応じてコーデックは使い分けましょう。

音質厨の人

音質厨の人で、CDから取り込んだ非圧縮な.wavを大量にHDDに保存しているような人は、「可逆圧縮コーデック」でエンコードするのがオススメです。

「可逆コーデック」は、音質を全く落とさずにファイルサイズを小さく出来るので、音質の劣化を気にする必要は有りません。

また「非可逆」→「非圧縮」という変換は出来ませんが、「可逆」→「非圧縮」への変換は出来ますので、元の「.wav」に戻す事も可能です。

ただ、「可逆コーデック」は再生プレイヤーによって対応していないコーデックがある場合があるので、自分が普段使用している再生プレイヤーの仕様に合わせるようにしましょう。

※「Monkey’s Audio」や「TAK」などの割りとマイナーなコーデックは殆ど対応していません。(仕様はメーカーの製品ページで見れます※サンプル

可逆ファイルをデコードする際の負荷によって再生プレイヤー内部バスのアナログ回路への影響が生じ、それが結果的にノイズに繋がる云々~」などと意味不明な事を宣う究極的音質厨の人は、.wavのまま保存しときましょう。

そこまで拘らないけど音質は大事だよねという人

今なら非可逆の「AAC」一択です。ビットレートは192kbpsくらいで、サンプリングレート44100hzくらいでエンコしましょう。

今主流になりつつあるコーデックなので、最新のMP3プレイヤーとかなら殆ど対応しています。

聴ければ何でもいいよという人

万物に対応している「MP3」コーデックで、ビットレート128bps、サンプリングレート44100hzくらいの設定でエンコしましょう。

MP3が聴けない機器はほぼ存在しません。

聴き比べてみよう

正直、非可逆圧縮コーデックと言っても、ビットレートが192kbps以上あるような音源なら可逆圧縮や非可逆の音源との違いは分からないと思います。(高級なヘッドフォンを使用している場合は気づくかもしれないけど)

「非可逆」音源と、「可逆・非圧縮」音源を聴き比べて違いが全然分からないような人は、コーデックについてそこまで気を配らなくても良いかもしれません。

大抵の音楽プレイヤーには再生中の音声のビットレートやサンプリングレートが表示されると思うので、その音楽ファイルが非可逆なのか可逆・非圧縮なのかを注意しながら聴いてみると面白いです。

音源プレイヤー「foobar2000」での音源ファイル情報
可逆圧縮音源(MP3) 可逆圧縮音源(AAC) 非圧縮音源(リニアPCM)
kbps_foobar aac_kbps_foobar pcm_kbps_foobar

▲こんな感じで色々聴き比べて、自分が明らかに音質の違いを確認できるなって気づく最低レベルを知ると、コーデックについての見方が変わってくるかもしれません。

あと再生中に以下の様な感じ↓で、ビットレート表示が変動するファイルは、VBR・ABR音源という事を意味しています。(ずっと固定のままなのはCBR音源)

vbr_cbr_abr

※ちなみに私は、192kbps以上になると聴き比べても全然違いが分かりません。128kbpsと192kbpsでも真剣に聞き比べなければ分からないレベルです。。

関連ページ:【違いが分からない】64kbps,96kbps,128kbps,192kbps,320kbps,非圧縮音源(WAV)の音質比較【MP3】

ファイルサイズについての補足

コーデックのファイルサイズは以下の条件で測定しました。

  • 使用した音声ファイルは「ファイルサイズ:40.4MB」の「PCM」音源
  • 使用したエンコーダ
  • ビットレートは全て128kbps

コメント一覧

  1. […] 参考:音声コーデック(MP3・AAC・WMA・WAV・Vorbis・FLAC等)の種類と違い【フォーマット】 […]

  2. 茅野 伸次 より:

    FLACはiTunesに対応予定は将来もないでしょうか?
    これからハイレゾ機器を買いますが、FLAC対応なので問題は無いと思いますが、家族は全員iphone,ipodなので。

    • 管理人 adminadmin より:

      無いと思います。
      Apple系の機器を中心に使用しているなら、全てALACに統一した方が良いかもしれません。