このページでは、
- 非圧縮
- 可逆圧縮
- 非可逆圧縮
の違いについて簡単に紹介します。
それぞれの違い
それぞれの違いを簡単に表すと以下のようになります。
- 非圧縮:
→圧縮していない”生”のデータ
- 可逆圧縮:
→圧縮したデータを元に戻すときに、完全に元に戻す事ができるデータ
- 非可逆圧縮:
→圧縮したデータを元に戻すときに、元に戻す事が出来ないデータ(劣化する)
例えば、非圧縮形式の.bmp画像があったとして、それをそれぞれ、.png(可逆圧縮)・.jpg(非可逆圧縮)に変換した場合、以下のようになります。
- .png(可逆圧縮):
→元の.bmpファイルと同等の画質でプレビュー出来る
- .jpg(非可逆圧縮):
→元の.bmpファイルより劣化した画質でプレビューされる
あとで元の品質に戻す事ができるものを「可逆圧縮」、
元に戻せないもの(取り返しが付かなくなるもの)を「非可逆圧縮」と言います。
これ↓が「可逆圧縮」です。
これ↓が「非可逆圧縮」です。
非圧縮・可逆圧縮・非可逆圧縮のそれぞれのコーデック
有名なものだけを列挙します。
○非圧縮
画像 | BMP・TIFF |
---|---|
動画 | RAW |
音声 | リニアPCM |
○可逆圧縮
画像 | GIF・PNG・PDF |
---|---|
動画 | Huffyuv・Lagarith・Ut Video Codec・MLC |
音声 | FLAC・WMA |
○非可逆圧縮
画像 | JPG・WebP |
---|---|
動画 | H.264・DivX・Xvid・MPEG1・MPEG2・MotionJPEG |
音声 | MP3・AAC・WMA・Vorbis(ogg) |
※可逆のBMPもあります
※WMAに限っては可逆・非可逆、どちらもあります
可逆圧縮のコーデック同士でエンコードしても劣化はしませんが(MLC→Huffyuv→Lagarith→MLCみたいな感じ)、
非可逆圧縮のコーデックでエンコードすると画質・音質はどんどん劣化して行きます。(H.264→DivX→Xvid→H.264みたいな感じ)
圧縮可能なファイルサイズの違い
簡単な例を出します。(あくまでイメージです)
例えば「A A A A A B BC C C B B」(データ量:12)というデータがあったとします。
非圧縮の場合
非圧縮の場合は、当たり前ですが非圧縮なのでそのままです。(文字通り非圧縮)
- 「A A A A A B BC C C B B」(データ量:12)
圧縮しないので音質の劣化はありません。
可逆圧縮の場合
可逆圧縮した場合、データは以下の様な感じになります。
- 「5 A 2 B 3 C 2 B」(データ量:8)
可逆圧縮の場合、このように数学的にファイルを圧縮(ランレングス圧縮と言う)します。
データサイズは圧縮されますが、文字通り「可逆」なのでデコードする際には、非圧縮と同じ品質で再生できます。(音質・画質の劣化は無い)
非可逆圧縮の場合
非可逆圧縮した場合、データは以下の様な感じになります。
- 「12A」(データ量:3)
非可逆圧縮の場合、「A~Cは人間の目・耳にはほぼ同じように感じられるから、全部「A」としよう!」みたいな感じでファイルサイズを更に圧縮します。
当然、この「B」「C」の部分は削り取られる様な形になるので、元に復元する(デコード)する事はできなくなります。
また、例に示した通り、非可逆圧縮は可逆圧縮に比べ、圧縮率はかなり高くなります。
可逆圧縮は、1/2~1/4とかなのに対して、非可逆圧縮は1/100~レベルに圧縮できます。(可逆圧縮は非可逆に比べればほとんど小さく出来ないと言って良いレベル)
圧縮方法の違い
可逆圧縮は、
- ファイル内のまとめられる部分をできる限りまとめてファイルサイズを圧縮する
のに対して、非可逆圧縮は、
- 人間が、見分け(聞き分け)られないレベルの部分を削ってファイルサイズを圧縮する
という違いがあります。
可逆・非可逆の使い分け
○動画編集などで動画素材として、のちのち再利用したりするかもしれない場合・ファイルサイズは気にしないから最高音質・画質を保ったまま保存したい場合
→可逆圧縮
○最終的な作品(動画・音声)として保存するために、そこそこの画質・音質が欲しい場合
→非可逆圧縮
このページの情報は以上です。
関連:Ut Videoコーデックのインストール方法と使い方【設定】(可逆圧縮コーデック)
関連:H.264コーデック「x264VFW」の使い方と設定方法(非可逆圧縮コーデック)
コメント