動画をエンコードする際の「ピクセルアスペクト比」の設定方法について紹介します。
ピクセルアスペクト比とは?
文字通り、ピクセルのアスペクト比のことです。
▲ピクセルアスペクト比(1:1) | ▲ピクセルアスペクト比(2:1) |
例えば、地デジの映像は1440×1080ですが、放送する際は1920×1080に引き伸ばされて(アナモルフィックされて)放送されています。
詳しくは以下のページを参考にしてみて下さい。
参考:解像度とは?ピクセルアスペクト比との関係【DVD・Blu-ray・地デジ】
FAR・PAR(SAR)・DARの関係性
ピクセルアスペクトを設定するには、
以下の3つの用語を理解する必要があります。
- FAR:
→元々の動画のアスペクト比率(例えば1920×1080な動画なら「16:9」)
- PAR(SAR):
→1つのピクセルのアスペクト比(例えばパソコンのモニタなら正方形なので「1:1」)
- DAR:
→最終的な動画のアスペクト比率(例えば1920x1080な動画で、「PAR」が「1:1」なら、「DAR」は「1:1」になる)
※x264エンコーダーでは、PARの事を「SAR」と呼びます
例えば、地デジを録画した動画「1440×1080」な動画をエンコードして、再生時にアナモルフィックして「1920×1080」にしたい場合、
- FAR:1440×1080
- PAR(SAR):「4:3」
- DAR:1920×1080
という感じで、PAR(SAR)を「4:3」と指定してやる事で、「1920×1080」に出来ます。
PAR(SAR)の計算のやり方
「ピクセルアスペクト比」というのは、要するに「ピクセル1つ当りの比率」です。
なので、「ピクセル1つ1つを全てそのピクセル比に置き換えたらどうなるのか?」を考えれば、PARを算出できます。
先ほどの例で言うと、「1440×1080」→「1920×1080」にアナモルフィックする場合、「ピクセル比をどれだけにすれば横に480px引き伸ばせるか」というのを考えます。
これを式にすると、以下で表すことができます。
FAR ✕ PAR(SAR) = DAR
つまり、
1440 ✕ X:1080 ✕ Y = 1920:1080
となります。
この式から、「X:Y」(PAR(SAR))を求めると、「4:3」になる事が分かると思います。
というわけで、エンコードする際の設定で、PAR(SAR)を「4:3」に指定してやれば、「1440×1080」→「1920×1080」にアナモルフィックする動画が作れるという事ですね。
もっと具体例と挙げると以下の様な感じです。
- 「720 x 480 (3:2)」(FAR)な動画を「16:9」(DAR)にアナモルフィックしたい場合
→PAR(SAR)を「32:27」に設定
- 「720 x 480 (3:2)」(FAR)な動画を「4:3」(DAR)にスクイーズしたい場合
→PAR(SAR)を「8:9」に設定
主に使用するのはこんな所でしょう。
・・・と、まぁこんな感じで面倒な計算をしましたが、実はこのような計算を自動で行ってくれるツールがネット上に公開されてるので、それらを使用すれば数値を入れるだけで簡単に計算できます↓。
AviUtl関係のエンコーダーでの設定
エンコーダーごとの設定の仕方について簡単に紹介します。
x264の場合
例えば、SARを「4:3」と指定したい場合は、
--sar 4:3
という感じでコマンドを追加するだけです。
AviUtlの出力プラグインx264guiExの場合は、SAR比を指定する欄で「画面比から自動計算」を選べば、エンコードする動画のアスペクト比から自動的にSAR比を算出して、SARを設定してくれます。
例えば以下のように「16:9」と指定した場合、
- エンコードする動画「1440×1080」の場合はSARを「4:3」に。
- エンコードする動画「1920×1080」の場合はSARを「1:1」に。
と言った感じで自動的にアスペクト比が「16:9」になるようにSARを自動的に設定してくれます。
WMV出力プラグイン plusの場合
AviUtlの出力プラグインである「WMV出力プラグイン plus」の場合です。
このプラグインでPARを設定するには、「Plus」タブの中に「Aspect Ratio」とい項目から設定できます。
このページの情報は以上です。
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