【AviUtl】拡張色調補正フィルタの使い方

AviUtlの「拡張色調補正」フィルタの使い方につい

簡単に紹介します。

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拡張色調補正フィルタとは?

「拡張色調補正」フィルタは、色調補正するためのフィルタです。

「色調補正」というフィルタの機能を更に細分化したような感じのフィルタです。

主にカラーグレーディング用途で使用します。

参考【AviUtl】動画をカラーグレーディングする方法【カラコレ】

拡張色調補正フィルタの使い方

拡張色調補正フィルタを適用するには2通りの方法があります。

  • 本体メニューの「設定」→「拡張色調補正の設定」から適用する
    拡張色調補正_フィルター
  • タイムラインにて「右クリック」→「フィルタオブジェクトの追加」→「拡張色調補正」からオブジェクトとして追加する
    拡張色調補正_フィルター_拡張編集

どちらも機能は同じですが、それぞれ特徴があります。

1.の方法で追加するメリットは、

・本体ウィンドウからファイルを読み込んだ場合でも適用される
・何も設定しなくても動画の最初から最後まで色調補正される

という2点があります。

デメリットは、

何も設定しなくても動画の最初から最後まで色調補正されてしまうので、「この区間だけを色調補正したい!」とかは出来ない

という点です。

 

2.の方法で追加するメリットは、「好きな区間で色調補正できる」という点です。

デメリットとしては、

・「RGBの同期」という項目が使用できなくなる
・本体ウィンドウからファイルを読み込んだ場合は効果が適用されない

という2点があります。

各項目解説

基本的には、

「RGB」と「YCbCr」という2つの色空間のパラメータを変更していくだけです。

拡張色調補正_フィルター_rgb_ycbcr
  • YCbCr方式
    • Y:輝度を調整(値を上げると「輝度」が上がる)※「明るさ」の事ではない
    • Cb青色色差を調整(値を上げると「青色」っぽくなる、下げると「赤寄りの緑色」っぽくなる)
    • Cr赤色色差を調整(値を上げると「赤色」っぽくなる、下げると「青寄りの緑色」っぽくなる)
  • RGB方式
    • R赤色を調整(値を上げると「赤色」っぽくなる)
    • G緑色を調整(値を上げると「緑色」っぽくなる)
    • B青色を調整(値を上げると「青色」っぽくなる)

という風に分かれていて、更にそれぞれの項目を以下のように細分化しています。

  • offs:足し算で補正(全体的に色を変化させる)
  • gain:掛け算で補正(指定した色成分を掛け算で補正)
  • gamm:ガンマ補正的に掛け算で補正(指定した色成分をガンマ補正の曲線に従って補正)

 

以下、オプション項目です。

  • RGBの同期」:
    RGB系のパラメータを動かした時に、R,G,Bと全てのトラックバーが同時に動くようになります。(拡張編集から拡張色調補正を追加している場合は有効になりません)
  • TV -> PC スケール補正」:
    「TVスケール(リミテッドレンジ)」から「PCスケール(フルレンジ)」に変換する設定です。
  • PC -> TV スケール補正」:
    「PCスケール(フルレンジ)」から「TVスケール(リミテッドレンジ)」に変換する設定です。

参考フルレンジとリミテッドレンジの違い【RGB・YUV】

サンプル

このサンプル画像を例に紹介していきます。

s-拡張色調補正フィルター_元画像

Y(offs)

単純に「輝度」を変更します。

-30123
s-輝度_-30s-輝度_123

Y(gain)

「輝度の低い部分はほぼそのままで、高い部分を更に高くする」という感じの設定です。

「輝度」というのは、例えば「モノクロ」写真で言う所の「白色」に近い部分が「輝度が高い」と言います。(厳密には計算式とかがあるので違いますが大体そんな感じです)

なので、以下の写真で言うと、「空」の部分なんかは元々輝度が高いので、真っ白になるという事です。

-70123
s-Y(gain)_-70s-Y(gain)_123

Cb(offs)

青色色差を加算・減算します。

-123123
s-Cb(offs)_-123s-Cb(offs)_123

Cb(gain)

青色色差を乗算します。

元々、青色成分(Cb)が低い部分はほぼそのままで、高い部分は更に高くします。

値を高くすると、緑・青の色が鮮やかになります低くすると、緑・青系の色が消えます

※これと「Cr(gain)」を同時に操作すると、「色調補正」で言う所の「彩度」や「色の濃さ」を操作するのと同じ効果になります。

-256256
s-Cb(gain)_-255s-Cb(gain)_255

Cr(offs)

赤色色差を加算・減算します。

-123123
s-Cr(offs)_-123s-Cr(offs)_123

Cr(gain)

赤色色差を乗算します。

元々、赤色成分(Cr)が低い部分はほぼそのままで、高い部分は更に高くします。

値を高くすると、赤系の色が鮮やかになります低くすると、赤系の色が消えます。

※これと「Cb(gain)」を同時に操作すると、「色調補正」で言う所の「彩度」や「色の濃さ」を操作するのと同じ効果になります。

-256256
s-Cr(gain)_-256s-Cr(gain)_256

R(offs)

赤色成分を加算・減算します。

-123123
s-R(offs)_-123s-R(offs)_123

R(gain)

赤色成分を乗算します。

赤色成分が元々濃い部分の変化が大きく、元々薄い部分はあまり変化しません。

-256256
s-R(gain)_-256s-R(gain)_256

R(gamm)

赤色成分をガンマ補正します。

-256256
s-R(gamm)_-256s-R(gamm)_256

G(offs)

緑色成分を加算・減算します。

-123123
s-G(offs)_-123pngs-G(offs)_123

G(gain)

緑色成分を乗算します。

緑色成分が元々濃い部分の変化が大きく、元々薄い部分はあまり変化しません。

-256256
s-G(gain)_-256s-G(gain)_256

G(gamm)

緑色成分をガンマ補正します。

-256256
s-G(gamm)_-256s-G(gamm)_256

B(offs)

青色成分を加算・減算します。

-123123
s-B(offs)_-123s-B(offs)_123

B(gain)

青色成分を乗算します。

青色成分が元々濃い部分の変化が大きく、元々薄い部分はあまり変化しません。

-256256
s-B(gain)_-256s-B(gain)_256

B(gamm)

青色成分をガンマ補正します。

-256256
s-B(gamm)_-256s-B(gamm)_256

ヒストグラム

メニューの「表示」→「ヒストグラムの表示」から、ヒストグラムを表示できます。

色の状態をグラフで確認できます。

ヒストグラム

理論上、「満遍なく平らになっているのが良い画像」と言えます。

まとめ

よく使うと思われるのは、

  1. Y(offs)
  2. Y(gain)
  3. Cb(gain)
  4. Cr(gain)
  5. R(gamm)
  6. G(gamm)
  7. B(gamm)

の7つかもしれません。

色調補正系の外部スクリプト

ティム氏の「色調調整セット」スクリプトはかなりクオリティが高いものばかりなので、

導入推奨です。

メタル化ネオン2値化

参考:【AviUtl】ティム氏のスクリプトまとめ(6/9)【色調調整セット(カラグレ)】

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