BD(ブルーレイ)のAACSの仕組みは、かなり難解です。
私も最近やっと理解できた(と思う・・)ので、自分の頭の中を整理する意味で、記事にしてみます。
BDをリッピングしようと思っている人は、絶対に知っておいた方が良い知識なので、ぜひ覚える事をおすすめします。
記事読む前に
※この記事は簡単に説明しようとしすぎて、情報自体に誤りがある可能性大な上に、逆に分かりづらくなっているという本末転倒なダメ記事なのであしからずです・・。(詳しく知りたい人は最後の「リンク集」を見てください)
最初に)AACSとは?
AACSは、主にBDに使用されているコピープロテクト技術(暗号化技術)のことです。(DRMの一種です)
AACSが適用されている対象
適用されている対象としては、
- 市販のBD(レンタル含む)
- BDレコーダーで録画した番組をダビングしたBD
- 地上波・BS・CS等
の2つがメインです。
・市販されている映画などのBDには全てAACSがかけられていますし、
・BDレコーダーで録画した地デジ番組をBDにダビングした場合にも、AACSがかけられてしまいます。
これらのBDを再生しようとしても、AACSで暗号化されているので、再生できません。
再生する場合は、AACSを解除する必要があります。
ほぼ全て掛けられているという認識でOKです。
(フリーソフトでも簡単に解除できちゃう)
AACSの仕組み
仕組みについて”超ザックリ”説明します。
※超ザックリなので、間違っている部分もあります。
(何回も言いますが)正確に詳しく知りたい人は最後に貼ってる「参考になるリンク集」を参考にしてください。
①AACSは3つのキーで暗号化されている
AACSでBDを暗号化する際には、3重の仕組みで暗号化されています。
- BDの中身自体(動画そのもの)を「タイトルキー」という文字の羅列で暗号化します。
- そして「タイトルキー」は、「メディアキー」と呼ばれるキーで暗号化します。
- そして「メディアキー」は、「デバイスキー」と呼ばれるキーで暗号化します。
②3つのキーの保存場所
次に「それぞれのキーは保存されているの?」という話ですが、次の通りです。
- 「デバイスキー」は、BDレコーダー・BD再生プレイヤーなどの「再生機器」や「再生ソフトウェア」などに各種1つだけ設定されています
- 例えば、BDレコーダーの機種1つ1つに「デバイスキー」は設定されていますし(1機種に使用されるデバイスキーは同一)、
WinDVDなどの再生ソフト1つ1つにも「デバイスキー」は設定されています。
- 例えば、BDレコーダーの機種1つ1つに「デバイスキー」は設定されていますし(1機種に使用されるデバイスキーは同一)、
- 「メディアキー」は、BDディスク自体に暗号化されて記録されています。
- 「タイトルキー」も、BDディスク自体に暗号化されて記録されています。
つまり、「デバイスキー」があれば、AACSがかけられたBDを再生できるという事です。
(ここではこれだけ理解してください)
AACSを解除して動画を再生するまでの流れ
引用:http://stm8sdatasheet.web.fc2.com/BDAACS/index.html
①最初に「デバイスキー」で「メディアキー」を復号化する
BDディスクを、BD再生プレイヤーに入れて再生する際、
BD再生プレイヤーの「デバイスキー」を用いて、BDディスクの中にある「メディアキー」を復号化(元に戻す)しようとします。
BDディスクの中にある「メディアキー」が保管されている部分の事を「MKB(メディアキーブロック)」と呼ぶのですが、
このMKBの中には、1万種類もの「メディアキー」が暗号化されて保管されています。
この際、「デバイスキー」という名の鍵を使って、
「MKB」という名の”部屋”に中にある「メディアキー」という名の鍵付きの”宝箱”を開けようとします。
その”宝箱”を無事あけることができれば、「メディアキー」をゲットできます。
ただ、”宝箱”がある”部屋”には、”指名手配犯”を追い出す仕組みがあって、それがAACSの仕組みの肝となっています。
「”指名手配犯”ってなに?」という話ですが、この「デバイスキー」というのは、ハッキングする事でたびたび破られる事があるのです。
AACSでは、ハッキングされた「デバイスキー」を発見したら、それ以降製造するBDディスクには、「デバイスキー指名手配情報(DRL・HRLなどと呼ぶ)」みたいな情報をBDディスクに付加するような仕組みになっています。
なので、部屋に入った時点で、そいつが指名手配犯なら追い出すようになっています。
このように、ハッキングされた「デバイスキー」を使用できないようにBDに情報を付加する事を「AACSのバージョンが上がる」と呼びます。
②「メィアキー」で「タイトルキー」を復号化する
「メディアキー」をゲットしたら、部屋の中に鍵付きの”扉”があるので、「メディアキー」を使って開けます。
③「タイトルキー」で動画を復号化する
「メディアキー」で開いた部屋に入ると、次は「タイトルキー」を手渡されるので、あとはそれを使用して動画を復号化して再生します。
AACSを解除して、再生するまでの流れは”超ザックリ”説明すると以上です。
AACSのバージョンアップによる再生互換性
「じゃあ、AACSのバージョンアップさえしなければ、ハックされたデバイスキーを使用して、永遠とリッピングとか可能なんじゃね?」
と思うかもしれませんが、AACSのバージョンが上がったBDディスクを、それよりバージョンが低いBDレコーダーなどに挿入すると、BDレコーダーのAACSのバージョンがBDディスクのAACSバージョンまでバージョンアップさせられるという仕様になっています。
なので、それは無理です。
例えば、「V12」のBDディスクを、「V10」なBDレコーダーに挿入すると、BDレコーダーが「V12」にバージョンアップしちゃうということです。
つまり、全ての機器・ソフトのAACSのバージョンが一致・もしくは上回っていないと再生できないという事です。
再生できる例
例を出すと、以下のようなパターンなら再生できます。
- BD再生プレイヤー:V12
- BDディスク:V12以上
以下のような例でも再生できます。
- BD再生プレイヤー:V12
- BDディスク:V11以下
再生できない例
例を出すと、以下のようなパターンなら再生できません。
- BDドライブ:V12
- BD再生ソフト:V12
- BDディスク:V13
このようにBDディスクのバージョンが高い場合↑、
以下↓のようにBDドライブはBDディスクによって勝手にアップデートされます。
- BDドライブ:V13
- BD再生ソフト:V12
- BDディスク:V13
また、BD再生ソフトの方も、「バージョンが低いから再生できない!」というエラーが出て、ソフトを製作している会社側から強制的にバージョンアップ(AACSの更新)させられます。
(この再生ソフトのAACSの更新は、再生ソフトのサポートが終わっていると更新できません)
最終的に以下↓の様に、BDディスク以外の機器・ソフトが、BDディスク以上のバージョンになることで、やっと再生できるようになります。
- BDドライブ:V13
- BD再生ソフト:V13
- BDディスク:V13
まとめ
というわけで、仕組みを簡単にでも理解してもらえれば分かるかと思いますが、
最新のBD(映画など)をリッピングしたい場合は、有料のリッピングソフトを購入するしか、今のところ解決策はありません。
(最新のAACSに対応しているのは有料ソフトだけだから)
フリーソフトだけでBDをリッピングしたいと考えているなら、以下の点に気を付けた方が良いです。
- BDのリッピングに使用するBDドライブ・BDレコーダーには新しいAACSが適用されているBDディスクは挿入しない(=新作映画などのBDのリッピングはしない)
例えば、地デジなどの録画をパソコンに保存したいと考えてるなら、BDレコーダーのAACSとパソコンのBDドライブのAACSを低くキープしておけば、ずっとAACSを解除してリッピングする事は可能です。
参考になるリンク集
私のこのゴミ記事より、遥かに詳しく、分かりやすく、丁寧に解説しているサイト様達です。
- http://stm8sdatasheet.web.fc2.com/BDAACS/index.html
- ERI AACS都市伝説を追う:BDAV編
- AACSがDVD暗号化のように無力になったわけではない – nabeの雑記帳
- BDAVをどうにかしたいスレ – wiki@nothing
このページの情報は以上です。
コメント
ご指摘の通り間違いでした。ありがとうございます。
以下 以上 未満 どのように認識しておいででしょうか?
12以下(12未満)という条件は成立しないにではないでしょうか?
すみません。全く真逆の事を書いていました。修正しました。
勘違いさせてしまって申し訳ございません・・。
復号化 と言う日本語は有りません。
暗号 とは状態であり、暗号状態に至らせる行為を 暗号化 と言います。
対して 復号 とは状態では無く、暗号 と言う状態を解く為の行為です。
なので、復号化 ではなく、復号 が正しい日本語です。
一般的には、暗号 を解いた状態を 平文 と言う場合が多いので、○○化 と言う表現に拘るなら、平文化 が妥当です。
もし、復号 と言う状態が存在し、それに至らせる行為が存在すれば、復号化 かもしれませんが。