rigaya氏が公開している、
QSVを使用して動画を高速にエンコードする事ができるAviUtlの出力プラグイン「QSVEnc」の使い方などを簡単に紹介したいと思います。
QSVとは?
QSV(QuickSyncVideo)は、
IntelのCPUの中にある「動画をエンコードする専用の機能」のことです。(Intel専用なのでAMDのCPUにはありません)
動画のエンコード中って、CPUの使用率が跳ね上がってしまうので、他の作業がろくに出来なくなってしまいますよね。
しかしQSVを使ってエンコードすれば、CPUの演算とは別の回路で演算を行うので、CPUにあまり負荷を掛けずに処理できます。
また、QSVがエンコードに最適化された機能なので、高速にエンコードできますし、
消費電力も低いので電気代の節約にもなります。
というわけで「QSV」は、
- 速く
- 低負荷に
- 安く(電気代)
という3つの特徴を持った、動画をエンコードできる機能のことを言います。
QSVEncとは?
QSVEncは、AviUtlでQSVを使用できるようにした出力プラグインです。
作者は、x264guiExでお馴染みのrigaya氏です。
QSVEncを使用できる条件
QSVは「IntelのCPUの中にあるエンコード機能」なので、AMDのCPUでは使用できません。
また、IntelのCPUの中でもハイスペッククラスのパソコンには、QSVの機能がついてなかったりするので、IntelのCPUの中でも使用できるものと使用できないものがあります。
この条件については、rigaya氏が上手くまとめてくれてますので、そのまま転載します↓。
OS
Windows 7 / 8 / 8.1 / 10 (x86 / x64)
Linux x64 (Redhat/CentOS系、Debian/Ubuntu系は動作確認済み)ハードウェア環境
Intel CPUでQuick Sync Videoの使用可能なもの
主にIntel Core i3/i5/i7 CPU 2000番台以降主なCPUまとめ
Core系 CPU QSVの使用 Penrynn以前 Core2 xxx × Nehalem/LynnField Core i3/i5/i7 xxx × SandyBridge Core i3/i5/i7 2xxx ○ SandyBridge-E Core i7 3xxx × IvyBridge Core i3/i5/i7 3xxx ○ IvyBridge-E Core i7 4xxx × Haswell Core i3/i5/i7 4xxx ○ Haswell Pentium G3xxx ○ Haswell Celeron G1xxx ○ Haswell-E Core i7 5xxx × Broadwell Core M/i3/i5/i7 5xxx ○ Skylake Core i3/i5/i7 6xxx ○ Skylake Pentium G4xxx ○ Atom系 CPU Bonnell Atom × Saltwell Atom × Silvermont Pentium/Celeron/Atom ○ Airmont Pentium/Celeron/Atom ○
ただ、ここにある条件に当てはまっていても、マザボがQSVに対応していないものだったりすると使用する事が出来ないので、何とも言えません。(例えばSandy系のCPUだと「H67なチップセットを使っているマザボじゃ使えない、P67じゃないとダメ」みたいなのがあったりします)
あとWindowsXPも非対応のようです。
というわけで、
使用の条件が非常にややこしいので、「自分のパソコンで使えるか知りたい!」という人は、実際に自分でインストールしてみて使えるか使えないかを判断するのが手っ取り早いです。
ダウンロードとインストール
- rigaya氏のブログから「QSVEnc + QSVEncC」というファイルをダウンロードする
- 右のサイドバー一覧にあります
- ファイルを展開する
- 中に入っている「auo_setup.exe」を実行する
- 以下のようなインストーラーが立ち上がるので、AviUtlの本体フォルダを指定して、「次へ」をクリックする
- 「終了」をクリック
以上でインストールは終了です。
使い方
使い方は、他の出力プラグインと同じです。
メニューの「ファイル」→「プラグイン出力」→「拡張 QSV出力」から使用できます。
設定画面は以下のような感じで、他のx264guiExなどと同じような感じです。
「H.265/HEVC」は「Skylake」以降のCPUじゃないと選べないみたいです。
MPEG2も、CPUによっては選べるみたいです。
また、「Vpp/詳細設定」から、QSVの機能で直接、
- 「リサイズ」
- 「インタレ解除」
- 「エッジ強調」
などのフィルター処理も出来ます。
エンコードしてみた結果
実際にエンコードしてみたので、超簡単に結果を書いてみます。
エンコしたPCスペック
- CPU:core i3 4005U
- メモリ:4GB
エンコした動画・設定
- 種類:動きの激しい実写
- 長さ:9秒
- 解像度:1920×1080
- fps:60fps
- QSVEncの設定:デフォルト
- x264guiExの設定:デフォルト
- その他:フィルタ処理などは何もなし
x264guiEx | QSVEnc(H.264) | |
---|---|---|
エンコ時間 | 1分30秒 | 52秒 |
CPU使用率 | 75~80%くらい | 70~75%くらい |
というわけで、
・普通にエンコードする場合と比較して、2倍くらいの速さでエンコ出来る
・CPU使用率は、どちらもあまり変わらない(ただし、もっと最新のCPUであれば、QSVの機能も向上してると思うので、更にソフトウェアエンコードと差を付けられると思います)
という結果になりました。
QSVEncプラグインは頻繁に更新されていて、更新することで機能が向上するかもしれないので、よく使用する予定の人は、rigaya氏のブログをチェックするの推奨です。
このページの情報は以上です。
コメント
AMDのAPUでQSVに相当するものはVCEという名前であることも付け加えたほうが親切では?
QSVEnc内のauo,setupにはなんか大量のウイルスが検出されたんですが、、、?