「TS抜き」の意味について簡単に紹介します。
パソコンに地デジチューナーをつければ → テレビが見れる
パソコンは、「地デジチューナー」という機器を使用すれば、テレビみたいにパソコンモニタでデジタル放送を視聴できます。
(ある程度スペックを要求されますが、今の時代のパソコンなら、どんなパソコンでもテレビ化できます。)
Amazon:PX-W3PE4 | Amazon:PX-W3U4 |
▲パソコン内部に直接取り付けるタイプ (PCI Express x1) | ▲USBタイプ |
TS抜きとは?
TS抜きとは、「地デジ・BS/CS放送を、コピープロテクトが掛かっていない状態でパソコンに動画として保存してしまうこと」です。
つまり
- 他のHDDへコピーしたりするのも自由
- パソコン内で動画編集し放題
- Youtubeにアップロードし放題
という風に、「自由に煮るなり焼くなりする事ができる動画」として保存することをTS抜きといいます。
TS抜きという言葉の由来
「TS抜き」という言葉の由来は、パソコンに保存するときの動画形式が「MPEG2-TS」(拡張子は.ts )な事から
語尾のTSを取って「TS抜き」と呼ばれるようになりました。
MULTI2とB-CASカードの関係
デジタル放送(地デジ・BS・CS放送)は、「MULTI2」という技術で暗号化(スクランブル)されています。
なので、テレビで地デジを観るためには、「MULTI2」で暗号化された番組を「復号化」する必要があります。
つまり、
アンテナ
↓
チューナー(テレビ)
↓
(電波を復調)
↓
(復号化)
↓
(画面に映す)
みたいな手順で、MULTI2で暗号化された電波を「復号化」する必要があります。
このとき、復号化に用いられるのが「B-CASカード」です。
「B-CASカード」が無いと放送を観ることが出来ないのは暗号化されているからです。
▲B-CASカード 地デジ対応のテレビなら、テレビのどこかに絶対に挿さっています。 |
というわけで、パソコンでデジタル放送を視聴する際にも、このカードは必須となります。
ちなみに、ほとんどの外国では、無料の公共放送は暗号化はされていません。(暗号化されているのは日本くらいです)
CCIとの関係
デジタル放送(地デジ・BS・CS放送)は、その名の通り「デジタル」なので、いくらコピーしても劣化しません。
なので無限にコピーされる恐れがあります。
それに、「テレビの内容をDVD販売する」となったとき、DVDなんて地デジより低画質ですから「地デジの方がキレイだから買わねーわ」なんてことになる可能性があります。
それらを危惧した放送業界が「じゃあコピーできないようにしよう!」と決めました。
その結果、BDレコーダーなどに動画として保存する際には「CCI」というコピー制御情報なるものが付加されるようになりました。
このCCIの有無によって、以下のようになります。
- AというBDレコーダーで録画したC動画(CCI付き)は・・・
→AというBDレコーダーで再生できる
→BというBDレコーダーでは再生できない
→CというBDレコーダーでは再生できない
→パソコンでも再生できない - AというTS抜きチューナーで録画したC動画(CCI無し)は・・・
→AというBDレコーダーで再生できる
→BというBDレコーダーで再生できる
→CというBDレコーダーで再生できる
→パソコンでも再生できる
つまり、「CCI」というのは
CCI = 録画した機器以外では再生できないようにする仕組み
ということです。
ちなみに「CCI」が付加された映像を、制限付きでコピー出来るようにしたりする仕組みの事を
- 「ダビング10」
- 「コピーワンス」
などと呼びます。
レコーダーに保存した地デジが、CCIに対応したメディア(BDならAACS、DVDならCPRM)じゃないとコピーできないのはこういう理由なわけです。
で、
TS抜きというのは、とどのつまり、「CCI」を付加させずにHDDに動画として保存させる事を言います。
CCIを付加しないので、コピーに制限が付きませんし、読み込みの制限も付くことも無いので、パソコンにコピーしたりもできます。
TS抜きが流行るようになった経緯
TS抜きという言葉が始まったのは、「「CCI」を付加させずにHDDに動画として保存する事ができる地デジチューナー」が発売されたことが発端です。
その発端となったチューナーの名前を「Friio(フーリオ)」と言います。
↓コレ。
Amazon:Friio 白
「Friio」は、「MULTI2の復号化は通常通り行うものの、HDDに保存する際に「CCI」をかけずに保存する」という仕組みになっていました。
なので、普通の地デジチューナーのように「B-CASカード」を繋げばテレビを映す事も出来ますし、動画として保存する際にも「CCI」をかけずに保存する事も可能というわけです。
ただ、当初このFriioには、地デジのスクランブル(MULTI2)を解除するソフトは付いていませんでした。(機能自体はありましたが、ソフトがないので解除はムリだったのです)
しかし、発売からしばらくして、このFriioのスクランブルを解除する事ができるソフトが有志によって開発されました。
そのスクランブルを解除するソフト(ドライバー)の名前を「BonDriver」と言います。
Friioの機器の形が「凡」という漢字に似ていることから、BonDriverという名前になったそうです。
というわけで、BonDriverを併用する事で、TS抜きが初めて可能となったのです。
そして、この「Friio」が発売されたのを皮切りにして、続々と「TS抜きが出来る地デジチューナー」が発売されるようになります。
「Friioが違法にならないんなら、俺らも販売するで!」みたいな感じですね。
TS抜き出来るチューナーについて
今現在、TS抜き出来る有名なチューナーとしては以下の様なものがあります。
- PT3 Rev.A(おそらく、これが内蔵タイプで現在一番人気です)
- PX-W3U3 V2.0(外付けタイプで一番人気)
- PX-Q3PE
- PX-W3PE REV1.3
- …etc
※全てAmazonリンクです
というわけで、
これらのTS抜きチューナーを購入すれば、TS抜きができるというわけです。
参考:録画保存(TS抜き)可能なおすすめ地デジチューナー12選
TS抜きチューナー → B-CASカードが付属していない
TS抜きするにあたって、1つ問題があります。
それは、TS抜きチューナーにはB-CASカードが付属していないという点です。
TS抜き出来るチューナーは、放送業界が定めたルールに従っていない、言わばトンデモチューナーです。(CCIを回避できちゃうわけですから)
そんなトンデモチューナーを放送業界が許可するはずがありません。
だから、B-CASカードが付属していないのです。
つまり、TS抜きチューナーを使う場合は、
「どうにかしてB-CASカードを手に入れる必要がある!」ということです。
ちなみに、違う機器(テレビなど)に使用されているB-CASカードを引き抜いて、TS抜きチューナーに使用する事はできますが、それは契約違反となります。(”契約違反”であって”違法”ではない)
B-CAS公式サイトからB-CASカードを買う事も出来ますが、「TS抜きできる機器に使用したいから売ってくれ」なんて言っても当然のごとく売ってくれません。
例えば
- 「紛失したから」
- 「中古のTVを購入したけど付いてなかったから」
などと言えば普通に買えますがコレも契約違反です。
まぁ
- 「契約違反したから何なの?」
- 「絶対バレないし、気にする必要なくね?」
などと思う方が多数だと思いますが、一応知っておいた方が良いかと・・。
・・・。
というわけで、TS抜きに興味がある人は是非挑戦してみましょう。
この記事は以上で終了です。
コメント
録画保存(TS抜き)地デジチュウーナー(USB用)
購入方法知りたい。 宜しくお願い致します
BSカードはどこで購入すれば良いのですか?
秋葉原にあります